陽の向かうほうへ

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でも、これはこれで味があっていいかも。 不格好なほうが私らしい。 温室育ちの私でも、できるってこと証明するいい象徴だ。 「彩夏さん」 向こうから手を振って歩いてくるのは真琴さんとお兄ちゃん。 お兄ちゃんの腕には今年の夏に生まれた琴音ちゃんが小さく納まっている。 私は手を振り返すとお兄ちゃんたちに駆け寄った。 秋の空の下、看板に描かれた遅咲きの向日葵。 どこまでやれるのか。 ここからが朝比奈彩夏、一世一代の大勝負だ。
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