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二階に続く階段に視線を移しかけたら、途中こちらをじっと凝視する四つの瞳と目があった。
「ん?」
双子が朝比奈のブレザーの裾を握り締めながら俺を見つめてくる。
きっと、初めて来た人間に興味半分、警戒心半分なのだろう。
「こ、こんにちは」
とりあえず挨拶してみる。
一人っ子のうえ、親戚筋の中では俺が一番下だったから、こういう小さな子供の扱いには慣れていなくてぎこちなくなった。
「ちゃんと挨拶しなさい」
「こんにちはっ」
朝比奈に促されて男の子のほうは緊張しつつも元気に俺に挨拶を返してくる。
でも、女の子のほうは朝比奈の後ろに隠れてしまった。
「ごめん、妹は人見知りで」
「いいよ」
女の子は恥ずかしがり屋が多そうだしなと思っていると、朝比奈の陰からじっと俺を睨んでいるからどうやら恥ずかしいというよりかなり警戒されているようだ。
そんなに俺、怪しかったかな......。
じっと妹さんに睨まれながらも朝比奈に案内されてリビングへと招かれた。
それから朝比奈の母親に挨拶をして、夕食を御馳走になった。
食事の時も朝比奈のお姉さんは姿を見せなかった。
まぁ治りかけとはいえ風邪だし、幼い子供もいるから部屋で食事を取るのかもしれない。
それが少し、残念だった。
もう一度、見たい。
そういう欲求が俺の心の中に確かに生まれていた。
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