268人が本棚に入れています
本棚に追加
とても幸せだった。
この子を私のお腹に授かって、
夫のミハエルは
私の妊娠が分かった時から
嬉しそうに
「早く赤ちゃんに会いたい」
って毎日、言ってくれた。
妊娠5ヶ月に入るとお腹が
やけに大きくなり、
赤ちゃんもよく手足を
動かしていた。
「成長が早過ぎない?」
と不安になったが翌月、
私は陣痛を起こし指定された
病院に向かった。
ミハエルは一緒に
ついて来てくれた。
車の運転をミハエルがする。
到着した所はいつも通院してる
病院と違う場所。
よく見ると病院……じゃない!!
病院というより
郊外に立ち並ぶ何かの
研究の施設?
「ミハエル、どういう事なの」
「僕達の子供がキチンと
誕生する為さ……」
「ここは何処なの? 」
「シスコの郊外にある
グラベル研究所だよ」
私の質問に彼は直ぐに答えた。
……"グラベル研究所"?
何で研究所で私は赤ちゃんを
産まないといけないの?
そんな事を考えていたら
陣痛が酷くなってきた。
「ウッ……ウウウ」
私はそのままその研究所の
中に運び込まれた。
最初のコメントを投稿しよう!