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渉さんの言う通り
これは偶然を装った必然…
どんな過去でも隠さずに
私に話してくれた渉さんの気持ちは
私には十分に伝わった。
『愛してる』なんて言われてないけど
『好きだ』なんて言われてないけど
私は渉さんからの想いを確かに実感した。
「さあ…召し上がれ」
タイミングを見計らったかのように草薙さんがデザートのプレートをテーブルに置いた。
プレートは一つ。
「渉はなし。彼女を泣かせた罰だ」
草薙さんはそう言って、私には笑顔を残して厨房に戻った。
私は渉さんに笑った。
「じゃあ…半分こですね」
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