第1章 共有する力

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大宮家玄関前ー 士郎は玄関の戸に手をかけ横にスライドさせる。ガラガラっと音をたて主人の通り道を開いた。 士郎「おう、ただいま。」 士郎の声を聞きつけ幼い足音がとてとてと廊下から駆けてきた。 「おとーさん!お帰り!」 黒髪のツインテールの少女は士郎に抱きつく。士郎は微笑ましく笑い自慢の娘の髪を撫でる。 士郎「いい子にしてたか?星夏。」 星夏「もっちろん!星夏二等兵!家のお留守番の任務、やり遂げましたであります!」 ビシッ!っ敬礼する少女。秋は呆然と父娘のやり取りを見ていた。羨ましく思った。幸せな家庭。親に愛されること。彼がどんなに願っても届かない望み。寂しそうな秋の気配を感じたのか、星夏は視線を秋に合わせた。 星夏「・・・秋お兄ちゃん?初めまして、大宮 星夏です!」 秋「えっ、あ。僕は繋夢 秋だよ。 宜しくね、星夏ちゃん。」 星夏「うん!宜しくね、お兄ちゃん♪」 いきなりで対応が遅れたが何とか返せた。人懐っこい笑顔に秋は幾分か心を開けた。 士郎「うっし、んじゃ、歓迎会と洒落こむか。」 その日は、とても楽しい1日になった。
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