1.アウロラ~光の存在~

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「あなたの幸せを祈らせて下さい」 見知らぬ女性にそう声を掛けられたのは、小2の学校帰り。 幼馴染のせっちゃんと、牛蛙で砲丸投げをしていた時の事だった。 手から七色の光が出ると云うその女性は、僕の額に手をかざして一心不乱に祈ってた。 「光、出てなかったね」 女性が去った後、せっちゃんがポツリと言った。 家で留守番していて、教会の布教の人に延々と神の導きを説かれたのは中一の時。 高校に入ってから初めてできた彼女には、誘われて行ったカフェで、新興宗教について熱心に勧誘された。 しかも教団の人まで途中参加して、3~4人に囲まれサラウンド状態で布教される羽目に。 上京した大学では、入部したサークルがカルト教団まがいの集まりだった。 そして今。 「だからね、アナタの為にもこの神聖な水を買うべきだと思うのよ」 入社してすぐ。 直属の上司に呑みに誘われたハズが、何故か怪しげな水を売られそうになっている。 なんなんだ、僕の人生は。 そしていつも、僕が取る解決策。 「もしもしせっちゃん?」 せっちゃんに、SOSを送るのだった。
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