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暫く静かに口をモゴモゴしていた佐々木だったが、卵焼きを咀嚼し終えると、キラキラとした目でこちらを見てきた。
「すげーうまいっ、今度俺にも作ってくれよ!」
「面倒臭いから却下」
俺の発言に えー と言って口を尖らせる佐々木。そんなことやっても可愛くないぞ。
「…えーちゃん、僕のお弁当も面倒くさかった…?」
不安げに見つめてくる天使。いやはや、そんな勘違いをして不安になっちゃう瑞穂も可愛くて好きですけどねwww
だがしかし、俺は瑞穂を泣かせたい訳ではない。急いで弁解しなくてはっ。
「そんなことないぞー、第一、一日おきに作りっこしてるんだから。俺は明日作らなくても良いわけだし、すっごい助かってるからっ!」
だから大丈夫だよーっと瑞穂に言うと、そっかぁ、良かったぁ…と微笑んでくれた。
まじ可愛いな、俺の瑞穂は。
「へぇー、作りっこしてるのかー。園田も瑛一も料理得意なんだなー、俺なんかやったこともないから、料理出来るって羨ましいわー」
佐々木がそう言うと、瑞穂は そっかなー なんて言って喜んでいる。
俺はそれを見て、ついつい不機嫌になってしまう。
「羨ましいならやればいいだけだろ。やってもいないのにそんなこと言ってんじゃねぇよ。」
「えーちゃんっ!」
またもや瑞穂に咎められてしまった。
「いいって、園田。瑛一の言ったことは正しいし。やってみたいから今度教えてくれるか?」
そう言って瑞穂の手を取る佐々木の手を、瑞穂から引き剥がす。
「俺が教える。」
俺がそう言うと、佐々木はこれを見越していたかのようににっこりと笑い、よろしく 瑛一 なんて言ってきた。
てか、今更なんだが、コイツ普通に呼び捨てにしやがって。許すまじ。
とりあえず、今度の土曜日に佐々木の家に行くことになってしまった。瑞穂は連れていけないから、一人で。
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