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CUSTOM01 えんすーじあすと?
○峠・夜
メックバトルが行われている最中。
夜の峠道を1台のメックが走る。
○メック操縦席
メック乗り「へっ、関東一の乗り手だかなんだか知らねぇがなめやがって!」
先行して走るメックに乗っているメック乗りはイラついた顔。
○峠・夜
と、後方よりライトの光。
西島が操るメックがもの凄いスピードで迫る。
○メック操縦席
メック乗り「くそッ! もう追いついてきやがった!?」
メック乗り、焦りつつもアクセルを踏み込む。
メック乗り「もうすぐ魔のS字……さすがの奴もスピードを落とすだろ。チキンレースだぜぇ!」
○峠・夜
西島のメック、離れるどころか近づき、その全体像を暗闇の中から浮かび上がらせる。
○西島メック操縦席
西島「悪いな」
○峠・夜
と、西島のメックが対戦相手のメックをジャンプで飛び越す。
メック乗り「なぁッ……ここで飛ぶだぁァッ!?」
メック乗りのメック、頭上を飛び越えていく西島のメックを見上げる。
西島のメック、峠道の山肌に着地。壁走りをして道に戻り、華麗にドリフト。
ギャラリーが歓声をあげる。
ギャラリー1「うおおおおっ、さすが西島さん! マジですげーっ!」
ギャラリー2「これ、ハンデありのバトルなんだろ?」
ギャラリー3「やっぱ格が違うぜぇ、西島さんはよぉッ!」
正明「すっ、すげぇ……」
ギャラリーの中に混じって見ていた正明、胸のあたりに手を当てる。
正明(なんだこれ……なんなんだ?)
正明、胸のあたりに当てていた手で服を握りしめる。
正明(すげぇっ、ざわざわする。なんだっけ、この感じ?)
正明、口元に自然と笑み。
正明「そっか、思いだしてきた……!」
正明、携帯を取り出し、登録の少ない電話帳を開く。
電話帳の中にあった”清水弘”をコール。
弘が出る。
正明「弘か!」
弘「ん……なんだ正明か。こんな時間になんなんだよ?」
正明「弘、俺メックバトルやるわ」
○弘のアパート
食べた弁当の空き箱やビールの缶が転がる小汚い部屋。
弘「はっ? メックバトル?」
弘、腹をかきながら壁に貼ってある流行りのアイドルのポスターを見る。
正明「ああ、子供の頃一緒にハマっただろ? あれだよ、あれ!」
弘「あっ、もしかしてプラモのやつ?」
弘、鼻をほじる。
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