エンスージアストシナリオ CUSTOM01 えんすーじあすと?

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 暗い夜道。正明の乗った車のヘッドライトが道を照らす。 ○自家用車内 ナレーション「そういえばクラスにいたなーそんな奴、という存在。まさにモブキャラ。これで高望する方がどうかしているだろう」  カーラジオから音楽。  正明、特になにも考えていないような顔で運転。 ○コンビニ外・夜 ナレーション「それに俺は小さい頃からなーんもできない奴だった。親父に勧められてはじめた野球もすぐに音をあげてやめたし、近所の兄ちゃんに連れていかれてはじめたビリヤードも壁に当たったら超える努力もせずにやめた」  正明の車がやってきて、コンビニの駐車場に止まる。  正明、車から降りてくる。  コンビニの前、いくつか並んだゴミ箱の横にある空いたスペースに腰を下ろして談笑している若者の姿。  正明、彼らをちらりと横目でみて入店。  X      X      X ナレーション「小さい頃の経験は一生ついて回るみたいなことを聞いたことがあるが、きっとそれは正解で、俺は努力とかはできないんだと思い込んでいた。このまま流されて生きるだけ……」 店員「ありっしたー」  正明、コンビニから弁当の入った袋を持って出てくる。  そして駐車場に止めていた自分の車の元へ。  その途中、コンビニの前で座っている2人の若者の話が聞こえてくる。 若者1「おい、もう集まってんじゃねぇのか?」 若者2「ああ、そろそろだとは思うけどよ」 若者1「んじゃこんなとこにいないで早く行こうぜ」 若者2「なんだよ、おまえそんなにメック好きだったっけ?」 若者1「あたりめーじゃん。じゃなきゃこんな所までわざわざバトル見に来ないっしょ」  正明、車に乗り込む。 ○自家用車内 正明「メックとかいってたな、あいつら」  正明、正面の若者たちを見つめながら昔を思い出す。 ○回想  少年時代の正明、弘が一緒にプラモを作ったり、プラモ屋での大会に参加している姿。 ○自家用車内 正明「懐かしいな……俺もガキの頃、弘とハマったっけ。遊びだけどいまの仕事よりも一生懸命やってたかもな」  正明、苦笑い。  若者ふたり、スクーターに乗ってコンビニから出発。  その姿を目で追う正明。 正明「でも、あいつらが言ってたメックとかバトルってなんなんだ?」
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