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「だめだめだめだめだめーーー!!!!」
「…………あ?」
星が瞬く夜空に、それはそれは綺麗な光を放つ満月の夜
あたしの目の前にいるのは……
自殺志願者
それも、大きなサボテンの鉢植えを頭にくくりつけ、さらに両手にも小ぶりなサボテンを持った……
自殺志願者
「あの、とりあえず!とりあえず、えっと、あたしだって嫌なこととかたくさんあって!でも、こうしてしぶとく生きてるわけで!!だから、その──」
「何言ってんのアンタ」
橋のど真ん中
手すりに仁王立ちで立っていた彼は、ゆっくりと振り返った
彼のバックには綺麗な満月
影になっていて表情はよく見えないけど、この非常事態にも関わらず、何故かドクンと心臓が跳ねた
バイトの帰り道
今日は少しだけ遅くなってしまって足早に家に向かっていた
そんな矢先のコレ
車通りも人通りも少ない訳じゃないここで、一体何でこんなこと……
この人、相当追いつめられてるんだ
他の通行人は見て見ぬ振り
『あたしがこの人を助けなきゃ』
そんな正義感が、少しだけ跳ねた鼓動を心の隅に追いやった
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