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「すみません」
背後から声をかけてくる女がいた。
うるせーな、今日はそんな気分じゃねーんだよ。
無視して足を前に進める。
「すみません」
再び声がかけられる。
しつけーな。
文句のひとつでも返そうかと、オレは振り向いた。
「良かった」
こんな夜の街に不似合いな、白いワンピースを着た、清楚な女が佇んで笑いかけた。
ごくりと、つばを飲み込む。
何でこんな女が、オレを呼び止めるんだ?
それなりにもてる方だとは思っているが、あまりにも普段接している女たちとタイプが違って戸惑った。
何もいえないでいると、さらに女が話しかけて来る。
「あの、お願いがあるのですが・・・」
新手のキャッチか?
緩んでいた警戒心が顔を出す。
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