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ま、たまには、こんな女を抱いてみるのもいいかもしれない。
ちょっとした悪戯心が湧き上がる。
「駅まででいいの?」
その言葉に、女はうれしそうに笑った。
「送ってくださるのですね! ありがとうございます」
その微笑みは、夜の街に咲いた、ユリの花のようだった。
「こっち。ついて来て」
親指で後ろを示すと、体を反転させる。
本当に土地勘がないのかどうか、確認するために、わざと反対方向に歩き始めた。
ちらりと振り向くと、女は黙って後ろをついてきていた。
キョロキョロと、物珍しそうに店のネオンを眺めている。
「あんまり、こういうところ来ないの?」
服装も、雰囲気も、何もかもがちぐはぐで、彼女だけが浮いている。
「ええ。だから珍しくて・・・」
観察されているのに気づいたのか、下を向いてしまった。
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