第1章

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「どうぞ」 ドアを押さえたまま、彼女を先に入るように促す。 一瞬ためらった後、からかうようなオレの瞳を見て、挑戦するかのように部屋に足を踏み入れた。 そして、ドアが閉まる。 「私の知っているホテルとは、ずいぶん違うのね・・・」 なるべく、シックな部屋を選んだつもりだけど。 それでも限界はある。 聞こえなかったふりをして、冷蔵庫を開けた。 景気づけには、アルコールだろう。 いきなりがっついても、逃げられそうだ。 そして、アルコール度数の一番高い飲み物を手に取り、彼女に渡す。 「お酒、飲んだことある?」 「もちろんよ」 最悪、ザルだった場合を想像したけれど、見た目どおり弱かったらしく。 乾杯して、一気に飲んだ酒は、彼女を酩酊させた。 さて、と。 部屋には、カラオケのPVが流れる。 誰の曲だったか忘れたけど、最近よく耳にする音楽。
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