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「どうぞ」
ドアを押さえたまま、彼女を先に入るように促す。
一瞬ためらった後、からかうようなオレの瞳を見て、挑戦するかのように部屋に足を踏み入れた。
そして、ドアが閉まる。
「私の知っているホテルとは、ずいぶん違うのね・・・」
なるべく、シックな部屋を選んだつもりだけど。
それでも限界はある。
聞こえなかったふりをして、冷蔵庫を開けた。
景気づけには、アルコールだろう。
いきなりがっついても、逃げられそうだ。
そして、アルコール度数の一番高い飲み物を手に取り、彼女に渡す。
「お酒、飲んだことある?」
「もちろんよ」
最悪、ザルだった場合を想像したけれど、見た目どおり弱かったらしく。
乾杯して、一気に飲んだ酒は、彼女を酩酊させた。
さて、と。
部屋には、カラオケのPVが流れる。
誰の曲だったか忘れたけど、最近よく耳にする音楽。
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