第1話

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大人のみなさんならば、もうご存知かもしれないが、この世の中、小さな頃に憧れていた正義のヒーローが、悪の集団と戦って、みんなを守ってくれている、なんて夢の世界の話し。 現実では、正義のヒーローなんて職業は存在しない。 しかも、仮に正義のヒーローって職業があったとしても、この平和な世界では活躍する必要はないかもしれない。 だって、正義のヒーローの敵はいつだって、悪の集団なんだから。 悪の集団がいないならば、活躍しょうがない。 まぁ、悪の集団が支配する世界より、正義のヒーローがいなくても、平和である世界のほうが、みんなは安全かもしれないが。 じゃぁ、正義のヒーローがいない世界で、誰か悪の集団を倒すのか? 答えは、簡単! 日本の平和は、僕たち、警察官が守っているのです。 ただ、余りにも平和過ぎて、正義のヒーローみたいに活躍する場所がないってのが、僕にとっては不満でしかない。 「ハァー、暇すぎ…」 派出所のテーブルに頬杖をつきながら、独り言を呟く。 外は生憎の雨。しかも、昼過ぎ。 すると、目の前の席に座る人物が声を発した。
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