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「ロボットだと。なら、何をしに、地球へとやってきた!侵略か!侵略なら、こっちは徹底抗戦するぞ!」
「ご冗談を……。この円盤をみて、分かるように。あなた方の星と、私が造られた星とでは技術力に天と地ほどの差があります」
ロボットの言葉に誰もが息を呑んだ。確かに、ロボットが乗ってきた円盤は地球のロケットなんかより、ずっと、優れている。空軍のレーダーにも引っ掛からないほどの代物だ。それだけでも、技術力の差というものを嫌でも自覚させられてしまう。
「……とはいえ、ここに来た目的は侵略ではありませんので、ご安心を」
「で、では、何をしに、ここに来たというのだ」
指揮官は震えた声でロボットに聞くと、相手は恥ずかしそうに喋り出した。
「じ、実は、仕事を探していまして……」
意外な言葉に誰もが耳を疑った。
ロボットが地球までわざわざ、仕事を探しに?
「仕事を探してだと?」
「はい。恥ずかしながら、私が造られた星では、考えもなしに無計画にロボットを量産した結果、ロボットがその星の人口を上回ってしまい、全てのロボットに仕事が行き渡らなくなってしまったのです」
「そんなに増えすぎたのか?」
「私達はどんな些細な仕事でも受け持つことができます。危険な労働作業はもちろん、デスクワークから、トイレのあとの尻拭きまで」
ロボットはジョークを交えながら自分達が優秀でありながらも、仕事にありつけないことを言う。
「全員が、全員、同じなのです。ロボットですから仕事の優越は絶対にでません。ですから、ロボットの数が増えれば増えるほどに、仕事は激減します。人々も自分達よりロボットの人口が多くなりすぎたことに気付いて製造を中止しましたが。もう手遅れでした。多くのロボットが路頭に迷い朽ちていきます。何か一つでも仕事があれば、取り合いになる。厄介なのは、私達はロボットなので仕事をするということ意外のことを知りません。人間のように怠けることも、手を抜くこともできず悩み続けました。そして、このままでは共倒れになってしまうと、判断をしまして、円盤を造りますと幾つかのグループに分かれて仕事探しの旅にでることにしたのです」
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