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「それでも、地球に辿り着いたという訳か」
「そういうことです。頼みます。どうか、私達に仕事をください。何でも、こなします。ただ、戦争の道具に使われるのだけはゴメンです。私達を造ってくれた方は平和的でしたから、戦うということが根本的にできません。改造すればと考える人もいるかも知れませんが、円盤を見て分かるように私達の身体は容易に改造することはできません。下手に改造しようとすれば、故障の原因となります。また、暴走してあなた方を襲う可能性であります
奇妙なことになった。ロボットだというのに、仕事を探して地球にまでやってきたという。
各国の代表者は当然のことながらロボットの処遇をどうするべきかを話し合った。哀れな身の上話であるが、地球だって不景気の時代と呼ばれている。貴重な仕事を全てロボットに回してしまっては人間から苦情が出るに決まっている。その不公平感をどうすれば、払拭することができるのか
議論に議論を重ねて、やがて一つの結論に達した。それは、ロボットの様子を見るのを兼ねて一時的に雇ってみることにする。ロボットは報酬もいらないというので、危険な場所での作業から始めさせることにした。
地球で働けることをが決まると、ロボットは大いに喜んだ。ロボットはさっそく、周辺の星々いるまだ仕事が決まっていない仲間を呼び寄せた。全員ではない、ごく一部である。あまりに呼びすぎると、元いた星のようにまた仕事がなくなってしまうのを学習していたから。仕事がないということはロボットにとっては死活問題でもあった。だから、地球の要望に合わせて今後の数は調整していくつもりでいた。
ロボット達は実に優勝であった。地球とは比較にならないほどの技術力で造られたこともあり、原子炉であろうと、高山地帯であろうと、極寒、深海であろうと問題なく活動が可能であった。しかも、身体の表面は特別製のソーラーパネルが組み込まれているらしくよほど、無茶な使い方をしなければロボットは壊れることもなく半永久的に二十四時間働くことができた。
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