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口をゆすいだが喉元が依然、気持ち悪かった為、冷蔵庫から”赤マムシの力”を取り出し一気飲みした。
「うぐっ!マズイ、ハーちゃん居ないの?」
左程、広くは無いダイニングは四人用テーブルを置くには、少し窮屈な感はあった。そこから奥に向かい声をかける。
奥には部屋がもう一部屋。酔っ払いの寝室兼リビングはゴミだらけであった為、奥はあえて進まない。
何故ならば足元を取られ、出るのに再び倍の時間を要する為、入る時は時間に余裕が無いと入れない為だ。
「帰ったんか?昨日は遅くまででてったんやな。晩御飯かたした(片づけた)で」
部屋の奥から、スルリと出て来た人型三頭身の悪魔。使い魔と呼ばれるそれは、何処か愛嬌のある顔だった。
手には笛が握られ、何故かコテコテの関西弁を使いこなし、無駄なユーモアを兼ね備えていた。そして物凄く所帯じみた感が否めなかった。
「ありがとう………服取ってきて、お願い」
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