第1章

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何分、そんな酒の席に出席するのも初めてで、普段は仕事でしか顔を合わせない先輩ばかりに囲まれ、食事をするのだから、仕事と同様、やはり緊張していた。 父の自家用車はヴィッツのAT車だ。 人を乗せるのだから母の軽自動車より座席が広いほうがいい。 加島とは、加島の自宅付近にあるというH町の郵便局前で待ち合わせた。 加島はいつものスーツ姿ではなく、ラフな若者らしいジーンズにチェック柄のシャツを着ていた。 髪型もいつも前髪は横に流しているが、今日は立たせていて、端正な顔立ちがはっきりと浮かび上がっていた。 そんな加島は、やはり自分とあまり年の変わらない男の子だった。
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