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パソコンデスクの上にあるメモ帳を手に取る。
さらさらと書くと、見せた。
「捉え方は千差万別ね」
「そんな風に言って……それじゃあ……」
今の君は何を信じてるの?
そう質問したら、彼女は僕をじっと見つめた。
「え?」
まさか、と思いながら自身を指させば、こくんと頷かれる。
「そういう存在があれば、人は生きていけるんだよ」
それが謎の教祖様であったり、高価な壺であったり、
怪しげな漢方薬であったり、不思議な水であったりするだけ
「この先、何があるのかわからない、不安定極まりない世界だけど……」
いつの間にか姿勢を正し、僕の方を向いていた。
「あなたがいれば、私は大丈夫」
そんなさらりと白状されたら、逃れられない。
いや、元々受けて立つつもりだったけれど。
出会い、恋におちた瞬間。
もう心は決まっていたけど。
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