水晶連鎖

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水晶連鎖

『ねぇ、聞いた!?鬼が山の噂! カップルで行くと片方死んじゃうってやつ!』 『ああ!ネットで読んだよ!あれってガセじゃないの?』 『でもこの前テレビ取材がきたらしいし、マジばなっしょ』 夕方のバーガーショップで周りの女子高生が話題にしているのが耳に入る。 「ちょっと、信二!私の話し、聞いてるの?」 二人テーブルで向かい合う倫子が腕を軽く叩きながら俺の気をこの場に引き戻した。 ポテトを頬張りながら片手を上げ無言の詫びをすると、呆れたと云わんばかりに大袈裟な溜め息。 「信二っていつもそーだよね」 「なにが?」 「周りを気にしちゃってさ。  特に女の子~」 惜しい。 少し正解。 「ワリィって。つかこの新作バーガー美味いな」 仮面を付け不機嫌極まりない彼女の機嫌をとる。 ポテトを摘んで彼女に向ければ、しょうがないなと云いたそうに眉尻を下げポテトへ食らいつく。 照れ笑いを浮かべる彼女を見て、ホッとしながら心はまだ余所に聞き耳を立てている。 別に俺は女が気になるわけじゃねぇし 周りが気になるワケでもねぇよ。 俺が気を取られるのは───
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