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「それで、
イニエーブは指紋をどこで変えたのでしょうか?わかっていますか?そして、
機械を欺くほどに指紋を変えることは可能でしょうか?」
私はさらに続けた。
「蛇の道は蛇に聞けということわざが我が国にはあってね。
わが国ではもちろん指紋を変えるのは違法だ。
しかし、
別の指紋に変えることは可能なようだね。
その瞬間もちろんゲルマンの国民でなくなるのだがね。
すすんでそんなことするものがいないわけではないようだ。
そして、
さすらいの指紋師といわれる男がいるらしい。
」
「その男の名前はわかりますか?」
「なんでも、
アルバタール・フィンガーマークと名乗っているそうだ。
わが国でも全力で探したが何しろこの国の人間ではないようでね。
しかし、
君が指紋を変えたいといえば向こうから寄ってくるかもしれないね。
しかし、
それには莫大な金がいるだろう」
「わかりました。
ありがとう。
大佐。
感謝します」
私はこうして大佐と別れた。
次はいかにして金持ちを装い、
フィンガーマークと如何に接触するかであった。
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