第1章

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 深い感情が体の奥にとぐろを巻いていた。 まるで地中一面に張り巡らされた電線のように私の心の根の部分に浸透していた。 いつ頃から私にその真っ黒な感覚が芽生えたのかは、 はっきりしている。 あれは、 ただ一人の肉親であった母が無残にも稀代の犯罪者たちによって命を奪われた日だ。  
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