第1章

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 さっそく私、 アッシュ・クロフォードは実体のないダミー会社を作り上げ、 資金集めに奔走する有能な人材を雇った。 法外の五貴族の研究を行っていたせいもあって、 こういう裏稼業にはかなり詳しくなっていた。 こうして準備は整った。 私は新聞に広告を出した。 『私はある理由があって、 指紋を変えたいのです。 お金に糸目はつけません。 連絡ください。 0×○-4535-▲△▽▼ ビルグ・オノエーブラ』  法外の五貴族に私の身元を知られないように偽名も買った。 あとは指紋師アルバタール・フィンガーマークが喰いつくのを待つだけだった。 もし違ってもイニエーブの指紋を変えた人間を見つければいいだけだ。 他人の指紋をそっくり写しかえるなどという神業はできて、 数人だろうと思っていた。 もし、 本当にできる人間がいるのならばだが・・・・・・。
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