5人が本棚に入れています
本棚に追加
一週間後、
偽名であるビルグ・オノエーブラ宛てに電話は３０件来ていた。
半分冷やかしのようなものもあったが、
あとは有名な整形外科医などの本物の電話もあった。
私は人を雇ってレポートに書き出させた。
そして、
ある一件に私は目がひかれた。
そこには、
指紋を消すだけでなく、
指紋をそっくりうつしかえることができると書かれていた。
そして、
その差出人はアルバタール・フィンガーマークだった。
私は確かな手ごたえと同時にあまりにもうまくいきすぎていることで不安を覚えた。
だが、
とりあえず、
会ってみることにした。
何回か手紙を往復した後、
私は世界中のセレブたちの保養地になっていた神秘の国サルガッソーの高級ホテルで彼を待った。
もちろん高級ブランドの服に身を包み、
靴、
髪形、
流行までセレブのようにふるまうことが私に課せられた。
自分は金を持っていると相手に思わせることが重要だった。
そして、
現れた男は東方の人らしく背の低い、
浅黒い肌をしていた。
最初のコメントを投稿しよう！