第1章

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「な、 何をする。 お前、 ただの金持ちではないな、 何者だ・・・・・・」  とそこまで言って、 倒れた。 私は彼の体を物置まで運ぶと、 中に入れた。 さて、 いよいよフィンガーマークの屋敷を探ることができる。 日も暮れかけていて、 使用人は先ほど皆帰途につきかけていたのを確認していた。 後はラビンのような警備人が心配だったが、 私はラビンから奪った銃と地図をもち、 服を着替えて、 さらに屋敷の2階へと上った。  アルバタール・ギンガジザスという人間が、 フィンガーマークと同一人物かはわからないが、 可能性はかなり高いように感じた。 それだけに、 ガルド・イニエーブの手がかりを得られると期待して私は主人がいないはずの部屋に入った。 そして予想通り、 そこにいたのはサムと名乗った男だった。 だが、 既に息をしていなかった。 死体が一体そこにはあるだけだった。 これは、 一体??私は動揺し、 呆然と立ちつくした。
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