第1章

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 サムのこめかみには穴が開いており、 即死だったようだ。 銃で至近距離から頭を一発撃たれた跡が残っている。 一体何者がサムを?私は考えた。 そして、 フィンガーマークとはサムなのか?疑問も浮かんだ。 すると、 トントントンとドアをノックする音が聞こえた。 私は慎重にドアの裏に回ると静かに相手が入ってくるのを待った。 「旦那様。 飲み物をお持ちしました」  使用人らしき、 髭を生やした小さな男が部屋に入ってきた。 「だ、 旦那様。 ヒィ」  私は男の背後に回ると銃を背中に突きつけた。 「静かにしろ。 この男はお前の主人か?」  小柄な男はまた、 ひぃと小さな声を上げたが、 やがて 「はい。 そうです。 旦那様に間違いありません」
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