第1章

34/35
前へ
/35ページ
次へ
もしくはその手下は確実にこの国にまだいるだろう。 もしかすると、 この屋敷にいるかもしれないのだ。 私は麻痺していた恐怖が湧き上がってくるのを感じた。 だが、 ここで諦めるわけにはいかなかった。 「お前も仇が打ちたいだろう。 ガルド・イニエーブに関する情報は何かないのか?」  良く見ると主人の部屋は荒らされていた。 ガルド・イニエーブ一味は何かを探していたようだ。 「そういえば、 ガルド・イニエーブの現在の指紋がわかるデータを保存していると言っていました。 それさえ、 あれば自分は安全だとも。 あなたは一体何者ですか?」  使用人にしては知りすぎていると不信に思った。 私は逆に男の名前を訊ねた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加