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あと一歩で全面戦争かというほどに両国の関係は悪化していた。
そして、
ニーチェリアも彼を捕らえることはできなかったのだ。
本編の主人公である私、
アッシュ・クロフォードは既に退役していた英雄ニーチェリアと会う機会をもつことを目指した。
そしてある日それは実現した。
前日にゲルマンの首都アルベリンにあるベアトリーチェ空港に降り立った。
ホテルに一泊し、
理路整然と並んだ建築物に目を奪われた私は束の間の異国情緒を感じたが、
すぐに本来の目的を思い出した。
そう、
ガルド・イニエーブの手がかりを求めて、
ゲルマンの英雄ニーチェリアと会う約束をしていたのだった。
もっとも、
英雄とはいっても、
名声などは忘れ去られるのが早い国なのか、
ニーチェリアの家はごく普通の一軒家であった。
私を迎えニーチェリアは白髪の髭を伸ばした老紳士だった。
そして、
目には力ともいうべき光が確かに宿っているようだ。
鋭い眼光でみつめられると一介の学生である私は緊張してしまった。
彼はイニエーブについて話したくてたまらないようだった。
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