第1章 #8

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第1章 #8

「ガゼル。 君は騙されているんだ。 君の組織は法外の貴族を倒すための組織なんかじゃない。 戦争を起こそうとする権力者の集まりなんだ」  少し空気が和んだ。 ガゼルが笑ったらしい。 声は聞こえないが感覚でそうと気づいた。 「馬鹿ね。 そんなこととうに知っているわよ。 いい?今度の戦争で勝ってこそ、 平和な世界がやってくるのよ」 「全て知っていて、 手を貸していたというわけか。 ガゼル!!」 「どうやらあなたとはもう違う道を歩み始めているみたいね。 殺すなとはいわれているけど、 ここで殺すべきかしらね。 最初みたときからあなたは我々にとって重大な脅威になると感じていたわ」  ガゼルは銃の引き金を引こうと力をこめた瞬間!鳥が大声をあげて飛び立った。 一瞬、 ひるんだガゼルに、 私は振り向くと銃を奪おうとガゼルの手を掴んだ。 銃口は天空に向いている。 二人はしばし睨み合った。 争っている様子を見て、 見物人が集まりだしていた。
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