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第1章 #10
「アッシュ。
私は疫病神よ。
あなたも私といると今に死んでしまうわ」
14――――――――――――――――
ランムルヒは彼女なりに思いつめているらしかった。
バルド・ゲール・アランについては話すべきか迷ったが今も話してはいない。
毎日の日課である庭の散歩には必ずついてきてくれたが、
決して体の一部である金属には触れることはなかった。
一抹の寂しさを感じたが、
これは決して彼女が私を嫌っているわけではないとわかった。
それがせめてもの救いだった。
ある日、
彼女の担任と称する女性がやってきた。
フフィテ・ムルジクという名前の三〇代位の女性だった。
尖った鼻の持ち主で、
よくランムルヒからは『鳥』というあだ名で聞いていた人だと私はとっさに理解した。
ランムルヒの非行について何か言いに来たのだろうか?親のような、
兄のような気持ちで対応に出た。
金属の部分は服で隠して普通の人間っぽく振舞った。
ランムルヒは関係上私の親類ということになっていた。
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