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「私の話はまだ終わってませんよ」
彼の目は当初の印象よりずっと鋭かった。
延々とイラチェリアの一都市に着くまで、
長々と話しを聞かされた私は完全に弱っていた。
彼の話は当初の印象と違いやけに長ったらしく、
雑然としているようだった。
あらゆる害悪が自分にのしかかっているような気分にさせられたのは相手の狙いなのだろうか。
ガゼルとジョベルジアは軍の本部に着いて、
荷を解き始めた。
ユゴーは鼻歌を歌っていた。
曲は聞いたことがあった。
名前は出てこなかった。
私に与えられたのは小さな水筒と防弾のチョッキ、
そしてガスマスクだった。
風にのってやってくる菌はガスマスクでどれほど防げるのかわからなかったが、
気休めにはなった。
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