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第1章 #2
まった手で受け取る。
二人は無言で、
食事をした。
新太は髑髏のことについ
て何も聞かなかった。
弥生も髑髏について何も語らなかった。
まだ弥生は新
太たちの使命について何も話してくれなかった。
弥生にとって弁当配達人と
新太とどっちが大事なんだろうか。
横になって、
新太は考えた。
弥生は極め
て高度な思考の持ち主だ。
高度が何かと言われれば、
それは複雑という意味
である。
弥生自身には今の新太の思いに対する解を持っていなかった。
そし
て、
それはきっと何十年、
いや何百年も解かれない問題のように、
凝り固ま
った定型性をもつのだ。
弥生という無意識の支配する怪物はやがて、
決断す
る。
自分がどう動けば目的が達せられるのか。
目的に向かって弥生は疾走す
る。
それはいつまでも変わらない。
そう、
あの十二歳の時から。
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