第1章-2 #2

3/35
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
だが、 新太はそのことを思い出していなかった。 新太は半分だったからだ。 弥生は白いピンクのスーツをいつの間にか身に着けていた。 そして、 新太は 通勤途中にきていた紺色の背広を当たり前のように着ていた。 「行きましょ う」弥生は言った。 新太は何も聞かなかった。 でも、 どうやら、 新太の職場 に向かっているらしいことは想像できた。 仕事場に弥生を連れて行くわけに はいかなかった。 「待ってくれ。 君。 ちょっと」弥生は新太の声を無視して 進む。 弥生の尻をただ追いかけるだけの新太は惨めだった。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!