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だが、
新太はそのことを思い出していなかった。
新太は半分だったからだ。
弥生は白いピンクのスーツをいつの間にか身に着けていた。
そして、
新太は
通勤途中にきていた紺色の背広を当たり前のように着ていた。
「行きましょ
う」弥生は言った。
新太は何も聞かなかった。
でも、
どうやら、
新太の職場
に向かっているらしいことは想像できた。
仕事場に弥生を連れて行くわけに
はいかなかった。
「待ってくれ。
君。
ちょっと」弥生は新太の声を無視して
進む。
弥生の尻をただ追いかけるだけの新太は惨めだった。
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