第1章-2 #2

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 会社は新宿駅から東に200?300mのところにある。 商社といえば聞 こえはいいが、 新太はまさしく雑用係りAとして会社に勤めていた。 Bは 太った門脇という男。 Cは新入社員の綾瀬である。 一番の古株である新太を 人々は軽蔑をこめて雑用課長と呼ぶようになった。 最初、 新太は雑用社長と 影口を叩いていたものが数名いた程度だったのだ。 しかし、 それを聞きつけ た会社の社長が社員全員の集まる朝礼で、 社長というのはけしからん、 と怒 鳴ったものだから、 次の日、 いやその日の朝から新太は雑用課長という有り 難くない名前を頂戴することになった。 会社の雑用は忙しかった。 残業も日 に4時間を超える時もあったし、 この会社には有給休暇というものはまった く存在を根本から無視されていた。 そして、 残業の分だけお金は出るものの、
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