第1章-2 #2

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勤めの全容であった。 同期の島崎というやり手は既に、 真っ当な課長職につ いていたし、 他の同期も仕事をもらって商社の礎になろうとしていた。 そん な中、 一人、 まったく業務外の所謂『誰でもできる仕事』を任されたのだか ら、 たまったものではない。 日々、 若い社員にもこき使われ影で嘲笑されて いるためか、 新太は出勤が苦しくなってきていた。 そして、 弥生と出会い、 人生は変わったかに思えた。 しかし、 変わるはずもない。 新太は遅刻して、 商社の一階に女連れで乗りこんだ。 新年ということもあり、 会社には数人の どうしても外せない用事を抱えた同僚がいた。 鉄筋コンクリートで造られた ビルのエントランスホールでは受付係りの女性とガードマン二人が立って いた。
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