第1章-2 #2

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「ざつ・・・佐藤さん。 ようやく出勤ですか。 ご苦労さま」  ガードマンの一人は言った。 鼻が微妙によじれた男だった。 もう一人の男 が弥生をじろじろと見た。 弥生は二人の存在をまるで無視している。 「佐藤さん。 この女性どなたですか?外部の人を入れるには前もって連絡し てほしいんですけどね」 「彼女はここに残る」僕は当然のことのように言った。 だが、 彼女は僕とと もにエレベーターまで進む。 ガードマンは止めようと弥生の肩に触れた。 肩 は紛れもなく、 掴まれていた。 新太は声をあげる。 ガードマンの肩がいびつ に(彼の鼻のように)曲がっていたからだ。 もう一人が傷ついた男に駆け寄 る。 弥生は既にエレベーターに乗り込んでいた。 「行くわよ」弥生の声は短 かったが、 意志のこもった声量だった。 少なくとも、 この世界のどんな人間 よりも。 新太はエレベーターに乗り込むと、 6階を押した。 そこが新太の定 位置だった。 普段は倉庫として物品が置かれていたが、 倉庫の中に一つ机が 混じっている。 新太のワークデスクである。 数ヶ月前に仕事を終えたままに なっている表面を見ると、 側に誰か立っているのに気づいた。 弥生はこの階 に入った時から気づいていたらしい。 じっと、 一点を見つめ、 その先には髑
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