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手を床について頭を体ごと起こすと、その空間は闇で塗りつぶされていた。
ただ一つ、わたしを中心に、手を広げたくらいの円が、スポットライトのように、わたしを異物として闇から除いていた。
その光に包まれたわたしは、体を見ることができた。
お気に入りのスカートとブラウス、青いパンプス。
わたしはわたしのことを覚えていた。自然と肩がおりた。
肩の荷がなくなったみたいに、軽く、羽根に切り取られたように飛んで行った。
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