9人が本棚に入れています
本棚に追加
/203ページ
陸攻がふと気がつくと、腕時計の針がもうすぐ正午を指そうとしていた。
もちろんユリネの腕時計もピタッと同じ時刻を指していたから、虎五郎にすぐさま
「なんや、時計まで息ピッタリやな。
ええ夫婦になれるで自分ら」
…とからかわれたのは言うまでもない。
また、それを聞くなりクマユリコンビの顔が真っ赤に染まったのも。
クマユリコンビは知っている。
そろそろ天神橋駅に赴いて切符を買い、お目当ての京都行超特急に乗る順番を確保しておいた方が良いことを。
何しろ季節は師走。
混雑に備えておいても決して損はない。
陸攻曰く嵐さん手帳の御蔭で、無理して濁酒を飲んだことを除けば今のところ陸攻に不手際はない。
だが、ようやく勢いに乗りはじめた陸攻にも、天神橋駅に善き仲間たちが来ている事までは知る由もない。
ましてや、彼等が京阪神クソダボ改め方ウナギ組なる隊号を名乗っていることも…
最初のコメントを投稿しよう!