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「お姉さん、こんにちは。
先月取り置きしてもらったアレ、大丈夫ですか?」
「うん……でも無理しなくて良いのよ?」
お姉さんは僕の収入を知っている。
舞がおしゃべりのせいだ。
「大丈夫ですよ。
それに、僕も欲しいと思っているんですから。」
本当は『舞が喜ぶなら』と言いたかったが、流石に口にはしなかった。
「そう?うん、そうね。
じゃあ……」
お姉さんは見た目よりも3倍高いその代金を受け取り、プレゼント用にラッピングしてくれた。
買ったグラスは『シャンパングラス』。
いや?『シャンペングラス』か?
普通のワイングラスよりも細くて、お酒の入る量も少ない。
『この前の記念日にワイングラス買っただろ?
何でそれじゃ駄目なんだよ』
『分かってないわね。
シャンパンで乾杯するなら、この形じゃなきゃ駄目なのよ。
炭酸の泡がキレイに見えるの。
そうよね?お姉ちゃん』
そんな会話を思い出して、目の前でリボンをかけているお姉さんに変な話題を振ったと申し訳なく思った。
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