第1章

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そして最後に誕生日ケーキだ。 甘い物好きな舞にケーキを忘れたなんて言ったら、離婚の危機かもしれない。 1番小さなホールケーキは3人前だったが、気にせずその3人前の物にした。 僕のイメージでは『誕生日と言えばろうそくをフー』だ。 舞は25才。 大きなろうそく2本と小さなろうそく5本、そして『まいちゃん おたんじょうび おめでとう』と書かれたチョコレートプレートが付けられた。 何で舞の誕生日のプレゼントを買うだけで、心がウキウキするのだろう。 まだ舞に渡した訳ではないのに。 舞に渡したって、照れ隠しの言葉しか聞けないと思う。 それでもプレゼントしたくてたまらないんだ。 舞の喜ぶ顔を想像して頬が弛んでしまうんだ。 僕は、早く舞に会いたくて、でも両手に通勤鞄とプレゼントとケーキを持っているから走れなくて、はやる気持ちを我慢しながら家に帰った。
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