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遺影をダイニングテーブルに乗せてケーキを開け、シャンパングラスの入った箱を舞に見せた。
「お姉さんこんな可愛くラッピングしてくれたんだよ。」
舞は相変わらず微笑んでいる。
『どうせ直ぐ開けるって分かってるくせに……開けづらいじゃんか』
舞の悪態が聞こえた気がしてフフッと笑った。
ろうそくを立ててハッピーバースデーの歌を歌って、フー。
僕はろうそくの火を吹き消して拍手をした。
舞は髪の毛1本動かす事なく微笑んでいる。
『ありがとう』
言われた気がして微笑もうとした時、頬に無図痒さを感じた。
いつの間にか僕は涙を流していたんだ。
「あれ?僕?
こんなめでたい日なのに。」
慌ててティッシュを取ったが、溢れる涙が止まる事はなかった。
自分でも分かっている。
まだこんなに舞を好きなんだって事を。
舞を忘れる事も事故の相手を恨む事も出来やしない。
ダメだと分かっていても、事故の日から気持ちが動けないんだ。
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