第1章

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「舞、お前25?6? 私が28だから……5か。」 お姉さんはでっかい独り言を言って、舞そっくりな笑い方をした。 旦那さんは、お姉さんの隣に座ってハンカチをお姉さんに渡す。 お姉さんもまだ悲しみが癒えていない様だ。 僕は舞と結婚してまだ数ヶ月だけど、お姉さんは20年以上も兄弟をしていたんだ。 僕よりも悲しみは深いだろう。 お姉さんは落ち着くと、赤い目のまま 「まだダメね」 と言い、シャンパンを飲もうと言い出した。 そうだ、今日はお祝いだ。 今日買ったシャンパングラスと、前に買ったワイングラスに、お姉さんが持ってきたシャンパンを注いだ。 シャンパングラスは炭酸の泡が弾ける様子が綺麗に見えて、舞がワイングラスじゃダメだと拘った理由がボンヤリと分かった。 「お誕生日おめでとう!乾杯!」 僕とお姉さんと旦那さんと、そして舞のグラスがカチンと音を立てた。 舞、おめでとう。 そして舞の誕生日を一緒に祝ってくれるお姉さん、旦那さんありがとう。
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