17人が本棚に入れています
本棚に追加
「舞、お前25?6?
私が28だから……5か。」
お姉さんはでっかい独り言を言って、舞そっくりな笑い方をした。
旦那さんは、お姉さんの隣に座ってハンカチをお姉さんに渡す。
お姉さんもまだ悲しみが癒えていない様だ。
僕は舞と結婚してまだ数ヶ月だけど、お姉さんは20年以上も兄弟をしていたんだ。
僕よりも悲しみは深いだろう。
お姉さんは落ち着くと、赤い目のまま
「まだダメね」
と言い、シャンパンを飲もうと言い出した。
そうだ、今日はお祝いだ。
今日買ったシャンパングラスと、前に買ったワイングラスに、お姉さんが持ってきたシャンパンを注いだ。
シャンパングラスは炭酸の泡が弾ける様子が綺麗に見えて、舞がワイングラスじゃダメだと拘った理由がボンヤリと分かった。
「お誕生日おめでとう!乾杯!」
僕とお姉さんと旦那さんと、そして舞のグラスがカチンと音を立てた。
舞、おめでとう。
そして舞の誕生日を一緒に祝ってくれるお姉さん、旦那さんありがとう。
最初のコメントを投稿しよう!