王城にて

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「蒼。私は、この国には必要ないようです。 他国へ行こうかと思いますが、着いて来てくれますか?」 私の言葉に、笑顔で蒼は言った。 「何処へ?」 首を傾げると、私は答える。 「そうですね・・・・・。 今から暑い季節になりますし、涼しいアイス神国でも、行ってみますか?」 「承知」 蒼がそう言った途端だった。 「な!お待ちください!」 王が慌てて私の目の前に進み出て、何と頭を下げた。 「非礼はお詫びします。 必ず登録は致しますので、どうか、この国におとどまりいただき、我らにお力をお貸しいただけませんか」 王の態度に騒ぎ出した大臣たちを一喝する王。 「黙れ! 物事の見極めも出来ないのか! お前たちの目の前で、今まで我らが常識と思って居た事が、覆されてるのだ! これには、必ず意味が有る! 出なければ、青龍様が付き従う筈も無い! そんなことも判らないのか!」 王の言葉には、迫力が有った。 マスターやジュリアは、嬉しそうにし、大臣達は、悔しそうにしている。
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