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「ほう。この国の人間の王は、魔盲や人外に頭を下げるのか?」
蒼の言葉に、王は真剣な表情で答える。
「こちらに非が有るのでしたら、頭は当然下げます。
当り前の事ではありませんか。
見栄やプライド等は、下らぬ些細な事です」
そう言って正面から蒼を見つめる王は、さすがは王を名乗るだけの事は有った。
見た目ショタだけど・・・・・。
王は、頭を下げて言った。
「どうか、城の中に御出で下さい。
貴方のランクを決めて、カードの発行手続きを取らなくてはなりません」
王はそう言って、自分の後ろで、私を睨みつけて居る大臣達に怒鳴った。
「下がれ!」
大臣達は、ビクン!っとして道を開ける。
「さ。着いて来て下さい」
王はそう言って歩き出した。
私はジュリアを見て言った。
「戻りますか?」
ジュリアは悔しそうに、首を振り歩き出そうとした。
私は、そっと手を差し出しジュリアの手を掴むと、宙に浮かせる。
「え?あ?」
驚くジュリアに言った。
「じっとして。このまま運びます。
まだ、無理は出来ないでしょう?」
そう言って、浮かんだジュリアを引っ張って移動する私。
蒼はそのすぐ後ろを着いて来る。
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