王城にて

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今、王が呼び寄せた大臣達は、ずっと黙ってたんだよね。 あの、騒いでる大臣達とは、対照的にね。 全く否定も肯定もせずに、じっと私達を観察してた。 正しいのか・・・・正しくないのか。 事実なのか・・・・虚偽なのか。 見極めようとしてた。 うん。 彼等は、正確な判断が出来そうだよね。 王は、残らせた大臣と私たちを連れて、部屋の中に入った。 そこは、ちょっとした会議室のようになっていた。 王は、中央の一番立派な椅子に蒼を招いて座って下さいと願った。 蒼は一瞬私の方を見て、そのままそこに座る。 蒼の両側に私と王が座り、他の者達は、順番に席を埋めていく。 全員が座った所で、王が言った。 「さて。では、少し予定より遅れたが、協議を始める」 王の言葉に、全員が王に注目する。 「まずは、マスター。君の報告に誤りは?」 「ありません」
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