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まさか、蜜が貰えるとは思わなかった。
私が用意した葉が、彼等の気に入ったんだろうな。
香りが強く、状態の良い物を集めておいたから。
一年間、訓練も兼ねて、採集や討伐に明け暮れてたもんね。
勿論、兄弟達の訓練の合間にだけどね。
でも、魔力の濃い魔森の奥は、植物も魔素を多く含んで状態が良いんだよね。
だから、気に入ったのかな?
「ほんとにありがとうね。
凄く助かるわ」
そう、私が嬉しそうに言うと、アンティリウスは、キチキチキチ・・・・・・・・・と、顎を鳴らす。
そして、森の中へと姿を消して行った。
ふうっと息を吐いて、私は男達を見た。
「大丈夫?」
男達は強い目つきで私を睨みつける。
「貴様!何者だ!アンティリウスなんて魔物と話をするなんて、まさか、魔人なのか!」
男の言葉に、私は溜息をついた。
「魔力の無い私が魔人ですって?
あり得ないでしょ?」
そう・・・・・・・魔人は魔力が高い。
人間達よりも遥かに!
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