はじまり

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そっかな。だって、変態さんだもんね。 翼を生やしてて、会った瞬間土下座してるし。 踏んでくださいって、変態さんじゃないのかな? 私がそう思うと、がっくりと肩を落とし項垂れる変態。 「いやね、申し訳ないと思ったからこうしたわけで、決して僕は変態なんかじゃないからね? 第一変態に世界は作れないでしょ?」 そうかな?出来るんじゃないの? 「はあ・・・・・。 もう、良いや・・・・。とにかく、座ってくれるかな? 話が進まないから」 もう、へこみ切った様子で、ソファに座る変態。 私も無言でソファに座る。 うん。座り心地が凄く良いね。 変態が手をかざすと目の前のテーブルの上に、美味しそうなクッキーと紅茶が入ったカップが現れた。 「さてと。 まずは、謝らせて欲しい。 すまなかった。君を殺してしまった」 そう言って頭を下げる変態を見ながら、紅茶を呑む。 うん。美味しい。 知ってるもん。ほんとに・・・・くだらないやり方で殺してくれたよね? あんな理由で死んだなんて・・・・。 有り得ないよね。 私が事故死なんて、有り得ないんだよね。 皆は知らなかったけどね。 ジロリっと変態を睨んで、私は言った。 「理由を教えて」
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