サバイバル

46/48
171人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ
「いてて……って、おい、なんで裸にされてんだよ。っていうかなんで先生まで脱いでんだよ」 「そりゃ風呂場だしな。当然だろ」 「服どこだよ」 「隠した。それよりもほら早く入るぞ」 「ちょ……待っ……わかったよ。」 もここまで来たら引き下がれねぇ。引き下がらねぇ。 俺はため息をついて、女湯に入る。他に誰も居なくて安心だ。でなきゃ女湯に入るだなんて無理だな。 俺は頭と体をよく洗い、湯船につかる 「やっほーレナちゃん。」 「ん、遥……あいかわらずお前は貧乳だな」 「他に言うことないの?」 「……俺の方がプロポーションいいな。あっはっは」 「………殴りてぇ。というか、少しは恥じらえ」 そう言いながらむくれる遥 「いや、お前とは何度も一緒に風呂入ったじゃねーか」 「何年前の話さ!?」 「その何年も前からまったく変わってないじゃないか。」 「そうだど……そうだけど……なんかこう……あるでしょ」 「待たせたな…あいかわらず仲いいな」 ちょうどそのタイミングで立花先生が入ってくる 「兄弟みたいなもんだしな」 「というか、七瀬、あれだけ嫌がってた割には裸みたリアクションが薄いな」 「え、だって俺が一番スタイルいいし。そのスタイルのいい裸はもう見慣れてるし」 「おい遥、こいつ沈めるぞ」 「そうですね。沈めましょう。」 指の関節をポキポキならしながら近づいてくる二人 「えっ、ちょ、待って冗談だから!」 俺は後ずさりしながら答える 「冗談が冗談になってねえんだよこの巨乳娘が!」 立花先生の拳骨が俺の頭上に落ちる 「あいだっ!」 「……それよりも少し厄介な事になっていてな……」 立花先生は、先程電話で話したことを伝える 「そんな……まさか……」 「いたぁー……ところでそれヤバイの?」 拳骨を喰らった頭を擦りながら質問する 遥はかなりの衝撃を受けている様子だが、俺はなんのことやらさっぱりわからん。 「あー、つまりな。日本がヤバイ」 「めっちゃヤバイやん……あれ、けどその空亡ってのはさ。この間核を完全に潰した筈だけど……頭痛い…」 「空亡とは大昔、最初の百鬼夜行の末に全ての妖怪が融合したものだ。」 「……だから?」 「強大な力を持つが故に、倒しきることは不可能。空亡は封印するので精一杯だったらしい。陰陽師が最も盛んだった時代ですらな」
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!