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どうなるか。
知らない。だから、怖い。
記憶もないのだ。今、彼女を殺せる度胸もない。
殺す、殺さない、以前の問題で、殺すという選択肢が考えられない。
俺がこうして剣を握る。だけど、それは自分を守るためで、相手を殺すような真似はできない。
素人当然。
剣を握ったとき、ナイフと違い何も感じなかった。
体が覚えてるとか、なかったのだ。
「怖い顔して、何考えてるのやら。とりあえず、あたしの目的に付き合いきったら開放してあげるから」
「本当か? 罪人の言うことは信じられない」
「あんたも罪人じゃん」
「『ブルーの森』について知ってること話してくれ」
俺がそう言うと同時に魔方陣が割れ、岩の巨人が姿を見せた。
ルーチェはそいつの肩に乗ると咳払いを一つした。
「まず、バグが多い。
理由はその奥に町があるから。なんで町があるのに、バグが多いかっていうと、そこは極悪人が多いとされているから。守護兵士団はその町にはあまり干渉しない。町の奴らはバグと同じくらい面倒だから。
第二に森の名前。ブルーっていうのは、本当に森の中が青色だから。まぁ、水辺が多いのも特徴ね。
異様な空間ね、あそこは。あとは『首狩モニカ』」
「『首狩モニカ』? 何だ、それ」
赤毛を揺らし、肩をすくめるルーチェ。彼女も知らないらしい。
「先住民だってさ、昔からいるらしいのよ。雲をつかむような噂だけの存在だから、気にしないほうがいいかもしれない」
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