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『体を楽にしてください。そして、意識をあの光へ』
教えられた風にする。なるほど、体が勝手に吸い込まれるように光に向かう。なんだ、夢かこれは?
ところでお前は誰だ?
『申し遅れました。僕は守護天使団員天導班のミシェルです』
なんだそれ?
『興味アリですか? 人を天の国に導くのが仕事なんです。今、人員不足なんです! いずれまた、会うでしょうしそのとき声をかけてください』
……。
『あ、すいません。顔わからないですよね。あ、守護天使団の方に声をかけても大丈夫です、ハイ』
……そうじゃない。
『はい?』
人を天の国へ導く? さも俺が死んだ風に……。
『だって、死んでるじゃないですか』
淡々と答えるミシェル。
死んでる、俺が?
夢じゃないのか?
『あなたは死んで、おまけに罪があります。しかし、生前あなたは善行に努めていました。なので、審議中なのです』
審議?
『国か獄、さてどちらの、ゴクなのでしょうか?』
待ってくれ、「死んだ」のはわかった。だけど、記憶がない。
『当たり前です。これから取り戻してもらうのですから』
知らぬ間にかなり進んだらしい。
点のようだったか細い光はろうそくの炎のように大きくなっている。
俺を導く光も少し眩しくなって体を包みこんでいる。
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